ローバ・ミッキーの「映画を通して、恋愛力アップを」
93歳の老婆から人生のあれこれを学ぶ 『パリタクシー』
写真出展&Reference:公式サイト
パリでタクシー運転手をしている中年男シャルル(ダニー・ブーン)は、金もなければ休暇もなく、免許停止寸前という人生崖っぷちの状態だった。
渋滞ばかりのパリのドライバー業に疲れ果てていた。
そんなある日、92歳の老婆マドレーヌ(リーヌ・ルノー)をパリの反対側にある老人施設に送り届けるという仕事が舞い込んだ。
長距離だから金にもなると思い引き受けるが、彼女の頼みでパリの街のあちらこちらに立ち寄ることになった。
乗せ始めた時は不機嫌で受け答えも冷ややかなシャルルだったが、マドレーヌの希望で寄り道をしたり、話を聞いたりしている間に、次第に彼女の過去がわかってきて……。
人との出会いは、ほんの数時間でも人生が変わるというドラマ。
92歳のマドレーヌの波瀾万丈の人生は想像に絶するものだ。
そこにはフランスの近代史、男運の悪さ、そして……、いや、これ以上は書けない。
しかし辛い過去を持つ彼女の表情には、達観した落ち着きと上品な笑顔だけが宿っている。
反対に彼女の半分の年齢のシャルルは生活難の真っ只中。
運転中にかかってくる携帯電話からもそれがわかる。
その会話を聞いたマドレーヌは自分の父親の口癖だった「一つの怒りで一つ歳をとって、一つの笑いで一つ若くなる」と言い、シャルルの妻の馴れ初めも聞かれる。
そうこうするうちにシャルルは「時間があるならディナーに」と誘う。
2人の交流で「人との出会いの深さは、長さでも年齢差でもない」ことを教えてくれる。
タクシー運転手シャルルに、大人気コメディアンのダニー・ブーン。
マドレーヌを演じるのはフランスの国民的シャンソン歌手リーヌ・ルノー。御年94歳。
1985年に「エイズと闘う芸術家協会」を設立し会長を務め、エイズ撲滅のアイコン的な存在でもある。
2022年にレジオン・ドヌール勲章受賞。
監督は『フェアウェル さらば、哀しみのスパイ』『戦場のアリア』のクリスチャン・カリオン。
◎ タクシーの車窓にエッフェル塔、シャンゼリゼ通り、ノートルダム寺院、凱旋門、パルマンティエ大通りが写り、旅気分も味わえます。
★ クリスチャン・カリオン監督、製作、脚本/フランス/91分
★公式ホームページ https://movies.shochiku.co.jp/paristaxi/
★4月7日公開
★ミッキーの毎日・映画三昧 http://mikki-eigazanmai.seesaa.net
映画好きが高じて年間500本以上を映画館、国内映画祭、試写室で観ている年金満額&後期高齢者のローバ・ミッキーです。週1回ほど映画を通していろいろな「人生&恋愛模様」を語っていきます。
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