ローバ・ミッキーの「映画を通して、恋愛力アップを」
出家とは「生きながら死ぬ」こと 『あちらにいる鬼』
写真出展&Referance:「あちらにいる鬼」公式サイト
人気作家・長内みはる(寺島しのぶ)は、講演旅行で知り合った作家・白木篤郎(豊川悦司)と男女の仲になる。
篤郎の妻・笙子(広末涼子)は夫の奔放な女性関係に気付きながらも、夫婦として表向きは穏やかな生活を送っていた。
みはるは20年前に幼い娘を残して婚家を出て、当時は年下の作家と暮らしていた。一方の白木は愛人が自殺未遂して、笙子に尻拭いをさせたばかり。
しかし、みはるにとって白木との関係は「書くこと」を通して、なくてはならない存在となっていく。
作家・井上荒野が、自分の父である作家・井上光晴と母、そして瀬戸内寂聴をモデルに男女3人の関係を題材に同名小説を上梓。
執筆の際に瀬戸内寂聴は「なんでも聞いてね」と協力を惜しまず、本の帯に「モデルに書かれた私が読み、傑作だと感動した名作」と絶賛した。
それを基に『ヴァイブレータ』『やわらかい生活』の廣木隆一監督が、寺島しのぶ、豊川悦司、広末涼子で映画化。
ねっとりとした肉体の絡みも情念もあって「大人」の映画そのもの。
広末涼子の感情を抑えた演技が出色。
すべて中途半端ではない、何事にも一生懸命で生き切った女性2人が、スクリーンに眩しく輝いていた。
また1960〜70年にかけての装いにも注目してほしい。
この頃は気の張った外出には和服、普段は洋服という和洋のバランスがとれていた最後の時代。
落ち着いた色合いに目を向けていただきたい。
◎この恋愛の果てに仏門に入ることになった瀬戸内寂聴。
今年の5月に公開された『瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと』のドキュメンタリーの中にもサラッとこの話が出てくる。
★廣木隆一監督/日本/139分
★公式ホームページ:https://happinet-phantom.com/achira-oni/
★11月11日公開
★ミッキーの毎日・映画三昧 http://mikki-eigazanmai.seesaa.net
映画好きが高じて年間500本以上を映画館、国内映画祭、試写室で観ている年金満額&後期高齢者のローバ・ミッキーです。週1回ほど映画を通していろいろな「人生&恋愛模様」を語っていきます。
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